「レヴェナント蘇えりし者」その時代
コロンブスがアメリカ大陸に上陸した時から、先住民族であるインディアンと白人との間で争いや白人による原住民の虐殺が続いていた。コロンブスはアメリカ大陸の黄金を得るために、邪魔なインディアンを虐殺、または奴隷とした。白人と友好関係にあったインディアンもいたが、敵対するインディアンもいた。白人に武器(銃)をもらったインディアンは銃を持たないインディアンを圧倒した。
インディアンと白人との争いは4つの時代がある。
- インディアンとの共存を探った時代
- アメリカ合衆国誕生後、アメリカの文化に同化しないインディアンが排除された時代(ミシシッピ川から東はインディアンの居住区がほぼなくなった)
- ミシシッピ川の西に白人の入植が進んだ時代
- インディアン条約が破棄され、部族そのものが消滅され始めた時代
wikipediaから引用
この映画の時代背景
この映画の時代背景は、西部開拓時代、ミシシッピ川の西に白人(アメリカ人)の入植が進んだ時代である。
1815年のナポレオンの没落とウィーン会議の後、ヨーロッパでは比較的安定した時代が始まった。合衆国の指導者はヨーロッパ貿易に対する注意を払わなくなり、北アメリカにおける発展に重きを置くようになった。米英戦争の停戦により、ミシシッピ川以東のアメリカ・インディアンとイギリスとの同盟が無くなり、白人の開拓者はミシシッピ川を越えて先住民の土地へ入植して行った。
「レヴェナント蘇えりし者」 登場するインディアンについて
この時代には多くの部族が存在し、部族間でも敵対していた。この映画の中に登場するアリカラ族とポウニー族も敵対している。アリカラ族は、ミズーリ川下沿いに住み、トウモロコシなどを栽培し、バッファローを狩る半農半狩猟民だった。交易の文化も持っていた。ポウニー族はミズリー川下流に住んでいた。
1823年ミズーリ川近くでアリカラ族の領地を侵犯した毛皮捕獲業者をアリカラ族が襲撃したこがきっかけで、アメリカ陸軍のヘンリー・H・レヴェンワース大佐が率いる第6歩兵隊230人と猟師50名にスー族戦士750人が、アラカラ族を懲らしめた。以前より、スー族とアリカラ族犬猿の仲だった。スー族は早くから馬と銃で戦い、大きな力を持っていた。
インディアンとフランス人の交易
この映画の中で登場する白人はフランス人とアメリカ人であり、インディアンの中にもフランス語を話す者もいた。
フランス人の探検家ジャック・カルティエは、1530年代から1540年代にかけて、3度にわたってセントローレンス湾を航海し、初期のヨーロッパ移民とインディアンの交易の主導権を握った。
アメリカ合衆国の初期においては、毛皮交易が資本に組み込まれていた。
「ヒュー・グラス」の実話
グリズリーに襲われて重症を負い、仲間に見捨てられながらも生還した話は長い年月にわたり語り継がれている。グラスの冒険を描いた著者フレデリック・マンフェルドの「Lord Grizzly」はアメリカで最も権威のある全米図書賞を受賞している。また1971年には「Man in the Wildernes」という表題で映画化されている。
ウィル・ポールター扮する「19歳のブリッジャー」は実在した人物た。この人物はフィッツパトリック共に重症を負ったグラスを見捨てた人物である。
1822年、ミズーリガジェット紙とパブリックアドバイザー紙にウィリアム・ヘイリー・アシュレー将軍の名で募集広告が載った。
「毛皮貿易を目指しミズーリ川を船でさかのぼる探検隊の参加者100名公募」
この募集はアシュレーとヘンリーが創設したロッキー山脈毛皮会社(英語版)の仕事を請け負う罠猟師を集めるためで、この会社は1822年から1825年にわたり当時の北アメリカ西部の未開地でなんどか大掛かりな罠猟をしている。
自然の美しさと恐さを表現
第88回アカデミー賞では、主演男優賞、監督賞、撮影賞を受賞している。小さなスクリーンで見たのだが、自然の美しさと恐さ、両方を表現している。その対比が面白いし、素晴らしいと感じた。大自然の中のすべてのものの営みを見ていると、見捨てることも殺害してしまうことも、自然の条理のような気になる作品だ。そして映画は人の会話が少ない。自然の音だけが続き、その静かに響く音も、自然の美しさと恐さを引き出していると思った。音楽は坂本龍一だ。